こういうのでいいんだよ。使うときに膨らむ、風船型おりたたみ自転車ヘルメット「Bumpair」の紹介。

ウェア
UnsplashEmmanuel Ikwuegbuが撮影した写真
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みなさん日々の生活ご苦労様です。

ギョーテンです。

2023年4月に自転車ヘルメットの着用が努力義務化されて、はや半年が過ぎました。

街中でも、明らかにヘルメットを着用している方が以前より増えてきているなという印象です(といっても、大半はノーヘルのままですが)。

これ以上にヘルメットが普及するためには、「ヘルメットはかさばって荷物になる」という障害を越えていかなければなりません。

折りたたみ式のヘルメットも開発されていますが、まだまだ気軽に持ち運びできるとはいえないレベルの物ばかりです。

そんな中、まさに「ポータブルヘルメット」と呼んでもいいレベルのヘルメットを見つけましたので、紹介したいと思います。

空気で膨らむ超コンパクトなヘルメット「Bumpair」

百聞は一見に如かずなので、まずはこちらの動画をご覧ください。

まるでビーチボールのように空気で膨らませて被るこのヘルメットは、フランス企業のBumpairが開発したヘルメットです(商品名もそのままBumpair)。

上で紹介しているのは、今年発売予定の次世代モデル「Bumpair2.0」です。

過去に販売していた前作「Bumpair1.0」を更に使いやすく改良したものだそうですが、その特長は以下のとおりです。

  • 空気を抜けば、かばんやズボンのポケットにおさまるほど超小型に収納できる(ヘルメットとして着用時の体積から約1/8まで縮小できる)
  • 特許技術「Infl8」を利用したことで、欧州規格EN 1078の要件に準拠しており、その安全性は従来のヘルメットより最大で4倍を記録
  • 使用される素材の88%以上でリサイクル製品を使用
  • 従来のヘルメットは一度衝撃を受けると交換が必要だが、Bumpairは内部の空気圧が基準以上なら再利用可能
  • サイクリストが日常的に使用する手押しの携帯ポンプで空気の充填が可能※「Bumpair2.0」のアップデート部分

どうですか?

一見、ビーチボールみたいな見た目をしているのに、安全性能はなんと従来ヘルメットの4倍というのですから、まさに次世代のヘルメットと言っても過言ではないでしょう。

空気を入れなおせば再利用可能という点も、SDGsで盛り上がっている世論受けが良いと思います。

これだけポータブル性能が高くて高性能なら、シェアサイクリングで自転車と一緒に備え付けたりすれば、日本でもヘルメット普及の促進につながるのではないでしょうか。

欲を言えば、見た目が選べるようデザインやカラーにバリエーションが欲しいところですね。

この製品がもっと人気が出れば、そういったニーズにも応えてくれるかもしれません。

※現在は「Bumpair2.0」の開発に注力しているのか、公式サイトでは販売はしていません。経過を見守りたいと思います。

参考ページ:Bumpair公式HP

Bumpairは日本でヘルメットとして認められる?

性能だけ言えば文句なしのBumpairですが、日本では法律上ヘルメットとして認められるのでしょうか。

結論、法律の観点だけで言えば、なんの問題もありません。

何故なら、道路交通法では「ヘルメット」の定義は以下の7項目だけだからです。

(乗車用ヘルメット)
第九条の五  法第七十一条の四第一項 及び第二項 の乗車用ヘルメットの基準は、次の各号に定めるとおりとする。
一 左右、上下の視野が十分とれること。
二  風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
三  著しく聴力を損ねない構造であること。
四  衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
五  衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
六  重量が二キログラム以下であること。
七  人体を傷つけるおそれがある構造でないこと

道路交通法施行規則(最終改正:平成二八年七月一五日内閣府令第四九号)

道路交通法のほかに、消費者生活用製品安全法という、販売する製品に関する法律の中では「ヘルメット」として販売する製品について細かく規格が定められています。

ただ、あくまでヘルメットという商品を売ることについての決まりですので、自転車を運転中に着用するものとしては、上の7つを満たしていれば問題ありません。

衝撃吸収性や耐貫通性も、法律上は明確な数値基準がないようです。

よって、「Bumpair」を被っていても日本では法律上はお咎めなしです(日本でBumpairを正式にヘルメットとして販売できるかどうかは微妙ですが)。

Bumpairは国内のロードレースで使える?

日本自転車競技連盟(以下、JCFという。)規則に則って開催されるロードレースでは、着用ヘルメットの規則に「JCF認証ヘルメットであること」という条件が課されていることがほとんどです。

この「JCF認証ヘルメット」の証である認証シールが無ければ、たとえワールドツアーチームが着用しているブランドの物でも出走が認められませんので、現在日本で流通していないBumpairでレースに出るのは現時点では無理だと思います。

なので、現時点でBumpairは「スポーツ自転車ガチ勢には無用の長物だが、日常生活で使用するヘルメットを探している人には最適なヘルメット」という位置づけになるかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ヘルメット着用義務化が始まり、趣味でサイクリングする人やプロの自転車選手以外の、ごくごくふつうの一般人もヘルメットを被る必要性が出てきたことで、ヘルメットのニーズも多様化が迫られています。

ヘルメットメーカには、是非多様化の波にこたえていただきたいものです。

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